勝山の歴史的町並みとその中を流れる旭川を一望に眺める小高い丘の斜面に、勝山文化往来館ひしおは2005年6月にオープンしました。ここに至るまでには、勝山、真庭の数多くの人々の熱い思いがあります。この場所にはかつて、1868年に創業された清友醤油店の醤油蔵がありました。1972年に生産が止められるまで百年以上もの間、マルニ醤油は地域の人々の食生活になくてはならぬものとして愛されてきたのでした。空き家となった美しい蔵をどうにかして救うことはできないか、と願う地域の有志(21世紀の真庭塾、町並みを応援する会)に朗報がもたされたのは2000年。清友家が、文化的目的のために役に立てて欲しいという条件で、蔵を旧勝山町に寄贈してくださったのです。これを機会に発足した「勝山・町並み委員会」は根気強い調査事業を続け、熱心なメンバーによって検討に検討を重ねた末に基本案を練り上げました。建設費、設備費等は、国土交通省の「まちづくり総合支援事業」によって一部をまかない、2005年6月、醤油蔵は「勝山文化往来館ひしお」として美しく再生されたのです。

建物概要
構造  :地上1,2階:木造,一部鉄骨造
地下階 :鉄筋コンクリート造
面積  :428.669㎡
延床面積:662.162㎡
設計  :太田民雄研究室
松岡哲也建築設計事務所