勝山パフォーマンス・アーツ2017

たまものさうし
2017.11.12 SUN 15:30open 16:00start

「たまものさうし」は、ここ勝山に伝承される「玉藻前」の伝承を元にしたダンス・パフォーマンスです。
玉藻前伝承は、能や謡曲の演目「殺生石」でもよく知られています。
太古の時代、不思議な力を持った狐は美女に化けて、天竺の班足王*1)、周*2)の幽王に取り入り国を乱し、その後我が日本に渡ってきます。
やがて鳥羽法皇の前に絶世の美女、玉藻前として姿を現し、たちまちに法皇の寵愛を一身に集めました。しかし、その頃から法皇の健康状態に異常が生じ、それを案じ占った安倍泰成によって狐の正体は暴かれます。狐は那須野に逃げ落ちるも弓の名手、上総介と三浦介に射殺(いころ)されてしまいます。殺された狐の魂は凝り固まって石となり、殺生石になりました。この殺生石には執心が残ったまま時は経ち、南北朝時代に那須野を訪れた玄翁和尚の仏法によって石は三つに砕け、日本全国に飛び散ります。その一つが勝山であるとされ、現代までその石は化生寺*3)に懇ろに伝えられています。
今回の公演に当たり、この伝承の変遷や記録について有識者を交えたフィールドワークを行い、現代の表現・解釈における可能性を探りました。
当日は平井優子氏が地域で行ったワークショップの受講者もパフォーマンスに参加してくれます。一つの物語を受け継ぎ、そして伝えていく伝承の流れを、皆様と共有できたら幸いです。   (加納容子)

*1)古代インドの伝説上の王子 *2)現代の中国の地にあった国 *3)勝山文化往来館ひしおから歩いてすぐにある寺院。

[会場] 勝山文化往来館ひしお 岡山県真庭市勝山162-3
[料金] 前売当日とも・全席自由 一般2,000円、高校生以下1,000円、
未就学児の方の入場はご遠慮ください。
予約優先 [チケット取扱・お問合せ] 勝山文化往来館ひしお(担当:新幸・種延)
TEL: 0867-44-5880 MAIL: hishio2@space.ocn.ne.jp
URL : http:// hishioarts.com

平井優子
幼少よりクラシックバレエを学ぶ。90年代に東京を拠点に様々な作品に客演、ソロ活動などを始める。
2001年フランス政府給費留学生として渡仏。のちにアーティスト集団ダムタイプのメンバーとして世界各都市での公演に参加。2010年岡山国民文化祭では現代舞踊作品の振付演出を手がける。2013年には真庭市で「猿婿ーThe face of strangers」を制作、発表。京都、東京にて再演’16年には「Ghostingー軌跡の庭」をJCDN踊りにいくぜセカンドvol.6にて制作。国内6カ所公演。第17回福武文化奨励賞受賞。

三尾奈緒子
8歳でフルートを始める。岡山県立岡山城東高等学校普通科音楽系を卒業後、渡仏。パリ国立地方音楽院特別課程を満場一致の最優秀賞を得て卒業。ロッテルダム音楽院にて研讚を積む。日本・フランス・オランダ各地でソロや室内楽、ダンスと映像のコラボレーションプロジェクトなどに参加。2009年、5年間のヨーロッパ留学を経て帰国。現在は岡山を拠点に、ソロや室内楽、ダンスやパントマイムとのコラボレーション公演を展開するなど、精力的に演奏活動を行っている。第13回福武文化奨励賞受賞。

高本敦基
Nancy 国立高等美術大学大学院 美術専攻修了。金沢美術工芸大学 油画専攻 卒業。第 17 回 岡本太郎 現代芸術大賞 特別賞、第 15 回 岡 山芸術文化賞 グランプリ、福武文化奨励賞。2009年より、セルフ・レジデンス・アーティストとして真庭市に滞在。勝山を拠点に全国で現代美術作家として展覧会に参加している。勝山では岡野屋旅館プロジェクトを有志とともに結成。今回は「勝山はりこ」のメンバーとともに当プロジェクトに参加する。

勝山文化往来館ひしお
2005年、勝山町並み保存地区の古い醤油蔵を改装した施設を、住民が主体として立ち上げたNPO法人 勝山・町並み委員会が運営することで「勝山文化往来館ひしお」としてオープン。以降、海外の芸術家招聘、展覧会、コンサート、演劇公演、ワークショップ、講演会、移動レストラン、夕涼み会等地域住民に向けた様々な企画を行ってきている。現在は町ののれんを手がける染織家・加納容子が館長を務め、スタッフ一同地域住民との連帯を深めながら活動を続け、岡山県北における文化拠点の一つとして評価を得ている。

主催:岡野屋旅館プロジェクト、おかやま県民文化祭地域フェスティバル in 真庭実行委員会、岡山県、(公社)岡山県文化連盟、おかやま県民文化祭実行委員会
後援:(一社)真庭観光連盟
協力:池田正則、矢鳴千奈美、Crest Dance Crew