アメリカの一女性“アネットさん”が見た 戦後日本〜復興への道〜

photo2015●9月13日(日)〜29日(火)
10:00〜17:00  24日木曜休館
ギャラリー2階
入場無料

「新見市とニューパルツ・ヴィレッジとの 国際姉妹都市間写真交流について」

新見市国際交流協会アメリカ班では、新見市のアメリカ合衆国内の姉妹都市ニューヨーク州ニューパルツ・ヴィレッジ(The Village of New Paltz, New York)と様々な形での交流を継続して行っています。そのうちの一つが、写真交流です。  これまでには、2008年から2009年にかけて、新見市とお隣の真庭市において、トミコ・コーエン写真展「We Have a Dream!~ある日本人女性ジャーナリストが見た黒人世界~」を開催しました。現在ニューパルツ在住の日本人元ジャーナリストのトミコ・コーエンさんが1960年代のアメリカの公民権運動を取材した際に撮影した貴重な写真を、当時就任した初の黒人米国大統領バラク・オバマ大統領の就任に合わせて展示したものです。

また、私たち新見市国際交流協会からは、「Every Now and Then in Niimi」(新見の過去と現在)と題して、新見の古い写真とそれに関連する現代の写真をセットにして解説とともに送りました。その写真は、ニューパルツの中心部にあるエルティング図書館に展示され、市民たちにも好評でした。

第2次世界大戦後70周年となる2015年、戦後の米軍占領下の日本の様子を記録した写真を、撮影者であるアネット・ファインストンさんとそのご家族、ご友人の方々の協力のもと送っていただきました。これらの写真が、それをご覧になる皆さんの心に様々なことを想起させるものと確信しております。そして、70年前にはお互いに戦争相手国であった日米両国間の平和的姉妹都市交流により、この写真展が実現できるという平和の恩恵にも思いをはせていただきたいと思っております。
新見市国際交流協会アメリカ班 班長 新見公立大学 教授 山内 圭

占領下の日本(1946年4月~1947年5月)

私は、ワシントンD.C.で仕事をしていましたが、冒険的野心から職を捨てて、米軍占領下の日本に行きました。東京での8週間のオリエンテーションを終え、名古屋の第5空軍に配属されました。その名古屋で、私は生涯にわたる趣味となった写真撮影を始めました。
最初の数カ月間は、いろいろなカメラを借りて写真を撮っていました。このようにして撮影された写真のネガはサイズがまちまちでした。後日、ついにハーフフレームの35ミリのネガに撮影できるマーキュリー社製の自分のカメラを購入することができました。
毎週末、友人たちと、名古屋周辺の田舎に出かけて行きました。当初、田畑で働いていた人たちは、ジープに乗ってやってくるアメリカ人たちを恐れていました。しかし、時間がたつに連れて、だんだんと緊張しないようになるのがわかりました。(田畑で働いている人たちの写真には、私たちの存在を認めるのを怖がっていた人たちも写っています。) 町に住んでいる人たちからは、写真を撮っていると反応があることが多かったです。純粋な好奇心から反応する人もいれば、親しくなろうとしてくる人もいました。
日本滞在後、ニューヨークシティでの4年の仕事を経て、夫と二人の娘とともに私の生まれ育った故郷の家に帰ってきました。そこで、永年、旅館を経営しました。
引退後、私は日本で撮影した写真のネガを見つけ、経年によって痛みすぎていないものを現像し始めました。それらの写真は、私たちが時の流れの中で再び見ることができない瞬間をとらえています。
現在、98歳となりましたが、私は日本で過ごした日々をはっきりと覚えています。また、当時の人々や場所に対して、大いに感謝の意を抱いています。今回、私の写真が、撮影された日本で展示されることを知り、誠に光栄に思っております。

Annette Chait Finestone
2015年5月