赤穂緞通
木綿が咲かせた華
●2025年2月22日(土)~3月23日(日)
10:00~16:30 | 水曜休館
勝山文化往来館ひしお | 入場料300円
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オープニングトーク
阪上梨恵さんによる作品解説など
2025年2月22日(土) 14:00~14:45 | 要入場料
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赤穂緞通展は長年ひしおの企画委員をお願いしているアーツ&クラフツビレッジを主宰する原田豊美さんのたっての希望で実現しました。
ポスターの作品は大正~昭和初期の古作で「御寮」と称されている文様で明治天皇の御料車に使われた、六畳敷の大きさで伝存する最大のものです。今回、赤穂市立歴史博物館の協力を賜わり、かつての織元で発見された図面10点と共に展示します。また赤穂緞通に魅せられて、研究・修復・織り手でもある「赤穂緞通六月」を主宰する阪上梨恵さんのコレクション約20点。赤穂緞通の技法を活かした椅子敷「赤穂ギャベ」もお求めいただけます。
昔、塩田で働く女たちが織った異国の香り漂う意匠、文明開化の時代、和洋折衷の空間を彩った緞通。実際に敷いた様子をご覧いただきたく御前酒蔵元・如意山房でも展示いたします。(2/28~3/3)
春光うららかなひととき、ひしおのお雛まつりをお楽しみくださいませ。
館長 辻 智子
赤穂緞通 六月
阪上梨恵 SAKAGAMI RIE
1983年 兵庫県神戸市生まれ
国際基督教大学卒業後、服飾や産業振興の仕事を経て赤穂緞通に出会う。根来節子氏(赤穂緞通生産者の会)に師事したのち2019年に独立、赤穂御崎に工房を構える。新作緞通の製作と古作の収集・再生に取り組み、各地で展示会を開催している。
2021 茶室/茶藝室 池半(京都) ギャラリー艸小路(奈良)
2022 工芸青花 一水寮(東京) LOG(尾道)
2023 くらしのギャラリー(岡山) 滔々(倉敷)
2024 Galerie KIYAMA(Paris) Landscipe/月日荘(名古屋)
赤穂緞通とは
兵庫県赤穂市出身の児島なかが創始した綿の手織り絨毯で、明治初期から昭和初期にかけて産業として盛んに織られていた。廻船業を営む裕福な家に生まれたなかは、江戸末期頃、夫と共に訪れた讃岐国高松にて万暦氈という異国の敷物を目にし、これを播州地方特産の綿糸で織ることを思い立つ。彼女は26年の歳月をかけて独自に技法を試行錯誤し赤穂緞通を完成させた。
赤穂緞通は握り鋏を用いた“摘み”と呼ばれる独特の作業による精緻な仕上がりと、世界各地の意匠を取り入れた華麗な文様が特徴である。明治30年代には明治天皇・皇后の御召列車の調度品として採用されるなど高い評価を得た。
昭和13年に綿花輸入統制により全ての織元が廃業するも、戦後1軒の織元が再開し赤穂御崎にて操業していた。平成3年、失われつつある技術の伝承のため、織り子の阪口キリヱさんを講師として赤穂市教育委員会が講習会を開催。現在、講習会修了者によって後進への技術伝承が行われている。
★第27回 勝山のお雛まつり 2/28〜3/3
★蔵元のお雛まつり2025 「ふたつの節句Ⅲ 赤穂緞通と共に」 2/28〜3/3